Guest Book


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2019-09-16 12:00 #2
保育園に通いだす前のことだろうか?
初めて和枝ちゃんと「おままごと」をしたときのことだった。和枝ちゃんの家の前の道路にゴザを敷き、和枝ちゃんは玄関を背中にして座り、私は和枝ちゃんの向いに正座していた。
和枝ちゃんは自分の左側におままごとの道具が入っていた箱を立てて、茶箪笥にみたて、箱の中の仕切りを利用してセルロイドでできたピンクや赤、青の地に花柄をあしらったお皿や茶碗をしまっていた。
少し古ぼけていて、色も褪せていたし全部はそろっていなかったので誰かのおさがりであったのだろう。
仕舞い終わってから私と向かい合い、正座している私を見て「カッチャン、お父さんはそんな座り方をしないよ」といったので、大人の真似をしてアグラをかこうとしてみたが、何度試みてみてもバランスを崩して後ろにひっくり返るばかりであった。
「和枝ちゃん、アグラをかけないよ」というと「じゃあそのままでいいわ!」和枝ちゃんはそういうと、近くに生えていた草をむしり、細かくちぎってお皿に盛り、茶碗には小砂利が混じった乾いた土を入れ、「今夜は何もなくて・・・」などといって、お互い大人の会話をまねたりして遊んでいた。
その日、私は家に帰ると一所懸命アグラをかく練習をし、どうにかうまくかけるようにはなったが、気を許すと後ろにひっくりかえってしまう有様だった。
二度目のオママゴトにはちゃんとアグラをかけるようになり、ちょっぴり大人の気分になったものだった。和枝ちゃんも満足してくれたのだろうと思う。
オママゴトも時には八百屋さんであったり、魚屋さんであったりという風にいろいろかわっていったし、夕食も花が咲くころは花と葉が、草の実や木の実がお皿に乗り、赤マンマを土の上にごま塩のように振りかければ、それは立派なお赤飯であり、四季折々の旬の野菜(?)でご馳走をつくってくれた。
そのうちに私の弟が子供役となり、日ならずして和枝ちゃんの妹の伸枝ちゃんが加わり、料理上手なしっかり者の母親とたぶん尻に敷かれていた父親、そして一男一女の平和な家庭ができあがっていった。
   カッチャン   コメント: 1 件  
 
2019-09-17 08:46 #3
先日のコスモス忌でお会いしましたホームページ管理人です。
新GuestBookへの書き込み有難うございます。
旧GUESTBOOKから約14年ぶりの書き込みですね。
「野菊とバイエル」また読もうと思います。
   管理人N 
 
2020-07-26 21:57 #4
千刈あがたファンの皆さま、初めまして。

突然のコメントで申し訳ございません。個人でマンガ・書籍の紹介サイト「僕の殿堂」(https://bokunoden.com/index.html)を作成している、北楠清名と申します。

昔から千刈あがたは好きな作家の一人で、今回「黄色い髪」をサイトで取り上げさせて頂きました。

絶版状態ですが、現在でも心を打つ名作だと思っています。
また勝手ながら、こちらのサイトもご紹介させて頂きました。

https://bokunoden.com/b9-novel_kiiroikami.html

千刈あがた没後もうすぐ30年ですが、再び脚光を浴びるといいなと思っております。

これからも頑張ってください。
素晴らしい作品が多いので、再評価されると思います。
   北楠清名