9月8日は台風の影響か湿った蒸し暑い一日でしたが、今年もお集まりの方々と共に、干刈あがたの墓前にコスモスの花を捧げる事ができました。6月に3回忌をむかえられた、干刈さんのお母様も納骨されていて、いっしょにお参りする事ができました。
午前中、干刈あがた生誕の地、東青梅駅前を出発して2時間半、青梅市の政治経済の変遷の跡を巡りました。江戸道といわれる古道、板垣退助が自由民権運動 の演説に来られたという集会場辺り、少女時代の干刈あがたがてくてくと歩いた道、その時代時代の区画整理で、途切れ途切れになりながら、今も道行く人を誘 う青梅の道は、所々に古い商家、民家、涌き水の井戸など残していて懐かしく、優しく思われました。
終点は金剛寺、「青梅の明治維新は金剛寺から」といわれる立派なお寺です。秋深くなるまで、青いまま実をつけているという梅の木、青梅の名前の由来になっているという、青い梅を1個見つけました。今年は梅の不作とか・・・
午後2時からいつものように、本堂での法要、墓参の後、今年は都合でお休みの鈴木さんに代わって、愛甲編集長の司会で懇親会、28名の参加でした。
昨年は『干刈あがた資料館』のアップロード作業に自宅PCの前で専念された管理人さんの初参加、早速ご紹介。ホームページから知って、友人に誘われて、 と初参加7名。毎年必ず初めての方がいらして下さる、こんなに嬉しい事はありません。初参加の方が大勢でしたので久し振りに、全員の一言自己紹介。
河出書房新社の長田さんには今年も『干刈あがたの世界』2期の刊行を、お願いする声がたくさん出ました。
その長田さんから皆さんへのお願い。
『干刈あがたの世界』をぜひ発行して欲しいという読者の声が、たくさん集まって会社に寄せられることが、一番の力なのです。「干刈あがたの作品を読みたい」「本を出して欲しい」と働きかけて下さい。
との事です。『干刈あがた資料館』で、皆さんのその声を結集する大キャンペーンを行おうと思います。その時には、どうぞたくさんの方々のお名前を届けてくださいますようにお願いいたします。
自己紹介も一巡した頃、干刈さんの遺品のスケッチブックが初公開されました。妹さんのお手元にあったものを資料としてお借りした貴重品です。1991年5、6月に描かれた、初夏の花々30数点、HPでご紹介するのが楽しみです。ご期待ください。
今回初めてニ次会を開きました。毎回、名残惜しく散会していたのですが、ぜひという声も多く、雨が落ちてきた5時過ぎ、17名の出席でした。 会場は「夏への扉」、50年以上も前、耳鼻科の医院だったという古い木造建物、自然食のケーキとクッキー、玄米ご飯にカレーが美味しいお店です。8月いっぱいは9時まで、9月からは6時閉店のところ、ご好意で開けて下さいました。
本降りになってきた雨の中、七回忌以来のご参加の深夜叢書の斎藤さんと長田さんが語られる干刈あがたを伺い、コスモス忌やホームページ、全集発行への活 動など、期待を込めて話し合いました。そしてお二人から、干刈あがた賞の夢のような構想も聞かせていただき、すっかり興奮した二次会でした。
7時半過ぎ、お仕事でコスモス忌には参加できないけれど、二次会にはという若い読者の方が都内から駆けつけてくれました。京都から参加してくれた加藤さん。世代を超えて干刈あがたを語れる場でありたいと思います。
毛利 悦子
■ご感想をいただきました。
今年のコスモス忌は、実は、直前まで行けるかどうか、はっきりしなかった。7月の27日から8月29日までハンガリーに出かけ、8月末が締め切りの10 枚の原稿2本を帰ってきてから書かなければならなかったからである。おまけに、今までワープロで原稿を書いていたのを、パソコンで書き、e-mailで送 ることになっていたのだ。なんとか書き上げたのが前日の9月7日。
でも、参加できてよかった。いつもの小・中・高校の同窓生や出版社の編集者に加えて、インターネットのホームページを見て今年初めて参加した若い人がい て、干刈さんを親の世代の作家が書く作品として読んだという感想などを聞くことができたので。ユック舎刊の干刈さんのエッセイ集『40代はややこ思惟いそが恣意』で、 「1950年代から80年代への変化の激しい時代に東京という場所で、女として立ち会っていたのだと発見したのだ」と書かれている。また、この書の帯にあ る「先の世代の想いを汲みとり、次の世代に何を伝えていくかを考えながら綴った」彼女の想いをぜひ若い人たちに伝えていきたいと思うから。
今回初めて、2次会が行われたが、その席で、河出書房新社の長田さんと、深夜叢書の斎藤さんから、干刈あがた文学賞を創設する行動を起こそうという、グッ ドアイデアが提案された。彼女の想いをこうした形で継承できたら、これ以上の喜びはない。ぜひ、実現に向けて、みんなで力を尽くしましょう!
(岩崎悦子)
懇親会の2時間はたちまち過ぎてしまいました。集まった人達はそれぞれ違った人生を送っていますが、“干刈あがた”に関しては紛れもなく一致していますよね。
2次会は、帰途時間を考えて遠慮させていただきましたが、きっと建設的なご意見が飛び交った事とおもいます。
(竜田紀志子)
何冊かの作品を読んでいくうちに、干刈さんのクリエートされた世界に出会い、一読者としてコスモス忌に参加させていただき、様々のお立場の方との語らいを楽しみにしています。
世代を超えて集まれる、また、作品を通して干刈さんの―window―が増えていく・・・そんな場所である事を望んでいます。
(J・K)
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