残暑の中、秋風が爽やかに通り抜けて行く晴天の9月9日、青梅市の宗建寺で第8回コスモス忌が行われました。
午前中には3回目となった文学散歩[干刈あがたの青梅]が催されました。文学散歩の参加者は早々と、濃いピンクのコスモスが活けられた墓碑にお参りして、2時、宗建寺本堂で営まれる法要に臨みました。お経を唱和して、本堂奥へ進み焼香する時、お参りする一人一人が干刈あがたととても近く再会しているように思える、安らかな法要です。本堂前の庭でご住職を囲んで記念撮影、墓参の後、客殿で干刈あがたの遺影を囲みました。
今年は常連の人達の欠席が多く、23名の参加でした。今年も初参加の方2名を迎えて、いつもより少しこじんまりと始まりました。
全集『干刈あがたの世界』の第2期の発行の休止を説明しては、「必ず刊行してください、待ってます」とはっぱをかけられる河出書房新社の長田さん。
昨年初参加、今年は友人を誘って文学散歩にも参加された、PTAの仲間で『ゆっくり東京女子マラソン』の登場人物のモデルの一人でもある新堀さん。
干刈あがたの作品に感激して出版社へ手紙を出してからのお付き合いという、また発病前後秘書の仕事をしてくれていた小原さんは「消化できなかった干刈先生の死をやっと見つめられそうになって8年目にお参りに来ました」と声を詰まらせて話してくれました。
遠く神奈川県二ノ宮から、7回忌のおり新聞を見て参加された小沢さんは、富士高新聞班の後輩でした。「8年たって今も、干刈あがたを語って涙あり。。。感激ですね」と。
毎年、当日司会を受け持って和やかにコスモス忌を進行させる中学の同級生講談社の鈴木さん。
そして閉会の時間も迫った4時過ぎ、密かにHP『干刈あがた資料館』の初公開をこの日コスモス忌の会場で行おうと孤軍奮闘していた愛甲さん。その甲斐あって、円陣にテーブルを囲んだ参加者の前に『干刈あがた資料館』のページが開かれた瞬間、歓声と拍手がわきおこりました。コスモス会の財産として大きく育てて参りたいと思います。
宗建寺さんにはご迷惑な厚かましいお願いを重ねてしまいました。深くお詫び致しますと共に、心から感謝申し上げます。
そして後日、「今年の会はなにかとても気持ちのいい会でした。8年も経ったなんて信じられませんが、干刈さんは確実にみんなの中に生きていると思いました」と新潮社の斎藤さん。2000年9月9日第8回コスモス忌の報告です。
毛利 悦子
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